当研究室で取り組んでいる研究テーマの紹介です。※一部を抜粋しております。詳しく知りたい方は研究室への見学をお勧めいたします。


研究活動

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研究テーマ

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エネルギー材料系

  • パルス静電応力法を用いた無機絶縁材料の空間電荷挙動の測定手法の開発

      Development of space charge movement technique for inorganic insulation materials using Pulsed Electro-Acoustic method

       近年、化石燃料の枯渇問題からエネルギー資源の高効率利用が望まれており、燃料電池システムが注目されている。その中でも固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell :SOFC)は600-1000℃という高温で作動するため、燃料の内部改質が可能であり、発電効率が高いといった利点がある。SOFCの絶縁部には無機材料が利用されているが、高温や直流高電圧、還元雰囲気などの環境下にあるために、電気絶縁材料の劣化やそれに伴う周辺機器への影響が懸念されている。SOFCの普及拡大には絶縁信頼性の向上が必要不可欠となっている。絶縁体に直流電圧を印加することで材料内に空間電荷が蓄積し、絶縁破壊を誘発することが知られている。しかし、空間電荷の蓄積が無機材料に及ぼす影響は解明されていない。そこで本研究では、高分子材料の空間電荷分布測定を行うために開発されたパルス静電応力(Pulsed Electro Acoustic :PEA )法を無機材料での測定に適応させ、空間電荷挙動が絶縁特性に与える影響を調査する。無機材料の空間電荷測定において本来測定できるはずの誘導電荷が見られないといった問題が存在する。絶縁材料の結晶構造および電気特性などの面からこのメカニズムの解明をはかり、従来のPEA法をもとに無機材料に適した測定手法の開発を行う。

  • 高温水素雰囲気における連続直流課電時の酸化物系無機材料の絶縁特性

       近年、化石燃料の枯渇が問題となっており、新エネルギー技術が注目されている。その中で高温作動である固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)は燃料の内部改質が可能であり、排熱利用による複合化で総合効率を高められることから、大規模発電システムとして開発が進められている。しかし、600-1000℃という高温で作動するため、構成材料の劣化やそれに伴う機器の故障が懸念されている。特に電気絶縁材料の劣化は機器の重大な故障につながる可能性がある。SOFCの普及拡大・長期運転のためには、耐久性の向上が求められており、絶縁技術の確立が必要不可欠である。

       SOFCの主絶縁には無機材料が使用され、それらは600-1000℃の高温、水素雰囲気といった特殊な環境にある。また、無機材料はガスシール機能を兼ねていることから、水素のリークによる燃焼反応の熱及び火炎に曝される可能性もある。このような環境での無機材料の絶縁特性の研究はほとんどされていない。そこで本研究では、アルミナ・マグネシアを対象とし、高温水素雰囲気における連続直流課電時の絶縁特性を調査する。

水素プロセス系

  • 水素混合都市ガスからの合金を用いた水素分離

      近年、再生可能エネルギーの導入が進んでいる一方で、出力変動や蓄電が困難であるという課題がある。この再生可能エネルギーを水電解装置を用いて水素として貯蔵・輸送することが考えられており、欧州では再生可能エネルギー由来の水素を都市ガスパイプライン中に混合して利用している。供給された水素は都市ガスとともに燃焼のための燃料として使われているが、水素の燃焼カロリーは低いため、燃焼の燃料としては水素は効率良く利用できない。この水素を回収し、燃料電池による発電に利用することで、より効率的に再生可能エネルギー由来の水素を利用できる。本研究では、パイプライン中の水素の分離回収法として、水素吸蔵合金(MH: Metal Hydride)を用いた水素の分離回収を提案する。

電力システム系

  • 再生可能エネルギーを利用した水電解システムに関する研究

      Consideration of rationalization and system operation optimization for water electrolysis using renewable energy

       近年、CO2排出量削減のための燃料電池自動車普及拡大に向けて水素ステーションの導入が進められている。その際、環境負荷低減や地球温暖化対策の観点から再生可能エネルギーを用いた水電解水素生成が望ましい。一方、太陽光発電(PV)を利用する水電解水素生成では、PVの利用率の低さ、出力変動への対応、発電地域と水素需要地とのミスマッチ等が課題として挙げられる。そこで、本研究では、再エネを利用した水電解システムの電力バッファや電力系統を含めた合理化および運用最適化に関する検討を目的として研究を進めている。

その他

  • 高温超電導線材の接続部抵抗評価

       一般的な超電導体は高磁場では臨界電流特性が大きく低下するのに対して、(RE)Ba2Cu3O7 (REBCO, RE : rare earth) や (Bi,Pb)2Sr2Ca2Cu3O10 (Bi-2223) などの高温超電導体(HTS: High-Temperature Superconductor)は、高磁場中でも低温超電導に比べて高い臨界電流特性を示す。臨界電流値が高いほど、高磁場利用が可能であるため、機器の高磁場化が可能となる。また、HTSは超電導状態に転移する温度の臨界温度が77 Kより高いため、液体窒素運転が可能となる。そのため、ヘリウムレス化により、冷媒コストの削減につながる。従って、これらの機器にHTSを応用できれば、更なる高解像度化やコンパクト化、低価格化が期待されている。しかし、現在高温超電導体の接続部分の抵抗値の評価方法が十分に確立されているとはいえない状況にある。 そのため、本研究では、HTSの永久電流モード運転の実現に向けて、HTS接続部抵抗値の評価を目的とする。


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